南投県竹山の竹刀工場を取材


台湾中部の南投県を訪れました。
今回の取材テーマは「竹」。
いろいろと取材をしましたが、
個人的に最も興味をもったのは「竹刀工場」でした。


台湾は「竹」に関する工芸品や地場産品がとても発達している土地です。
特に中海抜地域では良質の竹を多く産出し、
絶品のタケノコ料理が味わえるのですが、
今回のテーマは地場産品。

ご縁をいただき、竹刀に関する取材をしてきました。


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正直なところ、あまり知られていないのですが、
日本の剣道で使用されている竹刀の9割以上は海外産。
そして、その製造業者は台湾の会社です。


実際に竹刀を造る工場があるのは中国とインドネシアなのですが、
その技術は疑いなく台湾のもの。
そして素材は台湾産の竹が使用されます。

用いられるのは台湾中部山岳地帯で産出される「桂竹(けいちく)」。
高い評価を受けており、
台湾産の桂竹なしでは竹刀は存在しないとまで言われているそうです。、
つまり、台湾の桂竹がなければ、日本の剣道界もなり得ないのです。



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とにかく圧倒されてしまう竹刀の材料庫


この日はゆっくりと工場の見学をさせていただきましたが、
まず驚いたのは、竹が山積みになった材料倉庫。
見上げるまでのその様子に圧倒されました。

そして、裏庭にはその竹が組まれた状態で干されていました。
これもまた圧巻でしたが、
その様子は美しく、印象的な光景でした。


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この日はオーナーにいろいろな話をうかがいました。
誠心誠意、竹刀造りに向かい合っていることに感動を覚えました。


先にも述べたように、「台湾なくして剣道なし」という状況ですが、
残念ながら、日本で出回る竹刀に「台湾」の文字はなく、
ほとんど知られていません。

それでも、すでに半世紀以上、
台湾の業者が竹刀の製造を担ってきたのは事実。
戦後は長らく、人々の家計を支えていた産業でもありました。



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オーナーは以下のように語っていました。

「もし中途半端な竹刀を作ったら、とにかく危ない。
 子供たちに健全な剣道の精神が宿ってほしいので、
 私たちも気を抜かず、仕事に打ち込んでいます」

そういった気概に支えられ、
日本の剣道界は成り立っています。

剣道家の皆さんにはぜひ知ってほしい事実だと思います。



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