ファインダイニング「NOBUO(ノブオ)」~片倉真理の台北漫遊指南


台北に誕生した新たなグルメスポット。泰安街にできたファインダイニング「NOBUO(ノブオ)」をレポートします。ここを手がけるのは日本にルーツがある名シェフ・Nobu Leeさん。フランスやオーストラリア、ニュージーランドの高級レストランで経験を積み、満を持して2024年1月に自身の名前を冠した一号店をオープンさせました。入口には家紋があり、ちょっぴり身構えてしまいますが、扉を開けると室内は乳白色と木目調をベースとした温かな雰囲気。そのギャップに驚かされます。


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ここでは国内外の良質な素材をフレンチの手法で調理していますが、日本にバックグランドがあるからなのか、料理の多くはどこか懐かしく、親しみが感じられる味付け。ここはシンプルながらも奥深い味わいで、ホッと落ち着きます。

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料理はコースとなっており、内容は変わります。この日に味わったものをご紹介したいと思います。まず一品目はパリッとした生地の中に台中産のシイタケを挟んだもの。これにリュウガンの炭で46時間燻したという南投県産烏龍茶にシイタケの出汁を加えたスープが付いています。シイタケの旨味が存分に感じられる前菜です。

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二品目は、ゴマ風味のソースといただく中国産の養殖キャビア。エディブルフラワーも添えられており、可憐な美しさにも目を奪われます。三品目は、カンパチを昆布締めした後に軽く燻したもの。タレは柚子風味。プリプリとした食感のカンパチは逸品でした!

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四品目は、フランス産のクリーミーな生ガキに、キャベツやバターミルクで作ったやや酸味のあるソースを添えたもの。クリーミーで、口の中で豊かな味わいが広がります。五品目は、芸術品のような美しさのホタテのムース。周りもホタテクリームスープなので、ホタテ尽くしの逸品となっています。ホタテは北海道の網走産。

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六品目は、脂の乗った肉厚の澎湖産鰆を一夜干しし、ミディアムレアに焼いたもの。下には紫蘇や蕎麦を使用したソースが添えられており、上品な味わい。

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七品目のメインディッシュはニュージーランド南島のラム肉。百合根やブラッドソースが添えられており、変化に富んだ味と食感を楽しめます。または、柔らかいオーストラリア和牛もチョイスできます。

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そして、この後に登場したのがメニューには書かれていない裏メニュー。Nobuさんが幼少期の頃に日本で食べていたという思い出のカレーを再現したもの。コクのあるカレーがしみじみとおいしく、感動してしまいました(パートナーはおかわりしていました)。なお、ユニークなのはシェフが好きだという「ゲゲゲの鬼太郎」が描かれたお椀に盛られていること。お茶目な性格が伝わってきます。

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スイーツは3種類と充実しています。甘酸っぱいイチゴのアイス、ビターチョコレートの濃厚なムース、チェリーのソフトキャンディ。様々な味を楽しめるようになっています。





























なお、ワインペアリングも楽しめます。イタリア産、フランス産はもちろん、ルーマニアの原生種の葡萄を用いたものや、台湾が誇る「Weightstone威石東」の希少なワインもあり。

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気になるお値段ですが、料理は4280元+10%で、ワインペアリングは5グラスで1800元+10%。店内は気が付いたら若い方たちでいっぱいで、皆さんの経済的な余裕はもちろんのこと、美味しいモノへの感度の高さにも驚かされました。


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ここ数年、台北には次々とファインダイニングができていますが、個人的にこちらはかなりのおすすめ。特別な時に再訪したい店の一つです。

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